プリンセスの夏

私たちは再会してから
3回目の夏を迎えた

某ホテルの中華料理店で
最高級の冷やし中華を食べる

その日は大事な友人と会うから
2時間は邪魔をしないようにと
仕事関係者には言ってある

昼間に会うあなたは
ネクタイがよく似合い

互いには指一本触れず
姿勢正しく歩く

大きめのテーブルに向かい合わせで座り
相変わらず話が止まらない2人に
運ばれてくる料理やデザート

帰りの時間が近づき
あなたのピカピカの黒い靴と
私のピカピカのハイヒールが
並んでゆっくりと
絨毯の階段を
一歩ずつ降ってゆく

年に一度だけ
昼間に会うこの日だけは
まるで世界中に見られている
王子様とお姫様みたいで

私にタクシー代をサッと渡し
満面の笑みでタクシーを見送る
王子様の姿を
今年の夏も心に焼き付けて…

ファン

事後にシャワーを浴びたあと
腕枕をされながら
あなたの話しを聞く時間が好きで

優秀な後輩たち1人1人を
ランチに順番に連れ出す話しは
私の特にお気に入り

朝礼で週末に鯵を捌いた話をしたらさ
1人の後輩が
自分も今週末に鯵を捌いてみたいですと
言ってたんだよ
魚を捌くにはとにかく
包丁を研ぐことだと教えたんだよ

あなたの後輩たちの面倒見の良さは
バスケ部だったときと変わっていないのね

あなたを慕うファンはきっと多い

あたしも熱烈にあなたを慕っている
今もこうして

すべてが

よくできた夢みたい

目を閉じたあなたの横顔

いつまでも見ていられるから

こうやって

このままで

どうか

どうか…

  

誕生日

遅くなってごめんね
似合うと思ってこれにしたよ

 

あなたのお気に入りのブランド

あなたのと少し似ているネックレス

 

シルバーの手入れ方法はね…

話すあなたにキスをした

   

話聞けよ~

と言いながらの
キス返し

あなたはよく覚えてる

どこに触れられ

どこを舐められ

どんなふうにジラされ

あたしがどんなふうにイクのか

 

たまらなくて歓喜の涙を流し

声を枯らして

シーツを握りしめ

あなたはゆっくり背中に両手を回す

そしてあたしもあなたに両手を回す

 

何度抱かれても

この瞬間は

息をのんで

震える