プリンセスの夏

私たちは再会してから
3回目の夏を迎えた

某ホテルの中華料理店で
最高級の冷やし中華を食べる

その日は大事な友人と会うから
2時間は邪魔をしないようにと
仕事関係者には言ってある

昼間に会うあなたは
ネクタイがよく似合い

互いには指一本触れず
姿勢正しく歩く

大きめのテーブルに向かい合わせで座り
相変わらず話が止まらない2人に
運ばれてくる料理やデザート

帰りの時間が近づき
あなたのピカピカの黒い靴と
私のピカピカのハイヒールが
並んでゆっくりと
絨毯の階段を
一歩ずつ降ってゆく

年に一度だけ
昼間に会うこの日だけは
まるで世界中に見られている
王子様とお姫様みたいで

私にタクシー代をサッと渡し
満面の笑みでタクシーを見送る
王子様の姿を
今年の夏も心に焼き付けて…